« バイヤーってどんな仕事? | メイン | アソートとは・・・ »

メーカーとの取引形態


メーカーとの直接の取り引きをおこなう場合の条件(形態)に
ついては、大きく分けて以下の3パターンが一般的です。


■ 完 全 買 い 取 り 制

この条件のメーカーは雑誌などによく掲載される商品を企画製造し
自社ブランド以外にもライセンス商品を販売している場合がおおいです。

ほとんどの商品は年2〜4回開催される展示会において
そのシーズンの発注をおこないます。

納品された仕入れ商品は、基本的に不良品以外の
返品・交換は受けつけてもらえません。

また、期末の下げ(下代)もおこなわれないのがほとんどですから、
売れ残った商品については、仕入れ代金以下の赤字価格で値引き販売しなければなりません。
それでも売れ残った商品たちは、とうぜんお店の不良在庫となってしまいます・・・

そのため、展示会で売れ筋商品を的確な数量仕入れる能力が
そのシーズンの売り上げを左右するともいえるんです。

この取り引き形態では、ある程度以上(メーカーにより異なります)の数量・金額の
継続的な仕入れが必要であり、各商品の価格設定と掛け率は
同等レベルの他のメーカー商品よりやや高めに設定されている傾向があります。
(それだけ利益が少なくなります・・・)

1地域1店という店舗展開が基本であり、自社ブランドのイメージを
とても大切にしていますから、新規の取り引きにおいては
相手先の資本力やビジネス経験(実績)がとても重要視されます。

メーカーにとって、初めてオープンするお店に商品を卸す場合、
そのお店が売り上げ不振で1年後にはあえなく閉店というコトに
なれば、自社のブランド・イメージが傷つくからです。

資本力と売り上げ実績がなければ、認知度の高い国内ブランドの
メーカー商品を扱うコトは、よっぽどのコネでもない限りまず無理です!
たしかに、お客さんがよく知っている有名ブランドの商品が
ならんでいれば、あなたのお店のイメージアップ!にはなります。

■ 差 し か え 制

一般的な個人経営の雑貨店が取り引きをしているのは
ほとんどがこのタイプのメーカーといえます。

基本的には買い取りが条件ですが、売れ残ったり
売れ難そうな商品については、そのつど
柔軟に他の商品との交換(差しかえ)をしてもらえます。
単純に 『 返品ができる 』 と考えてもらえばいいです

ほとんどの小〜中堅メーカーはこのパターンにあてはまります。

展示会を年数回おこなっている会社もあり、
担当の営業マンが定期的にそれぞれのお店をまわって
そのつど、売れ筋の補充や新商品の説明をして
注文をとってゆくパターンが一般的です。

■ 委 託 販 売 制

この取り引き条件は、お店にならべた商品はメーカーからの
貸し出し(委託)扱いとなりますので、棚卸の時の在庫には
計上されず、その月に売れた商品の代金だけを支払えばよいので
お店にとってはもっともリスクがなく、資金的にも有利な条件です。

注意点としては、各メーカーによって掛け率の設定が
やや高くなる(利益が少なくなる)傾向があり、全体的には
この取り引き形態をとっているメーカーの数は少ないのが現状です。